激闘!カレー屋事件

毎度毎度いろんな理由で遅れてくれるJR高崎線。
人身事故、台風の影響、車両故障、信号のトラブル、線路の点検といったオーソドックスなものから踏み切りに大量に散乱した鍋・フライパンの撤去など。
今日の帰りには、20:20の電車に乗ろうと駅に着くとなんと
「沿線の火災により運転見合わせ」
・・・これはなかなかお目にかかれない理由じゃないだろうか。電車を止めてしまうなんて、そんなにすごい火事なんだろうか。

10分程度様子を見たが、結局、約30分後の終電まで電車は来ないらしい。
まったくどうなっているんだろうか。もし高崎線と並行して私鉄でも走っていたら、間違いなくそちらを利用するだろう。
とりあえず腹も減っていたので、一旦外に出て食事を済ませることにした。
ちょっとリスキーな気もするが、私はなんらかの形で、私なりの抵抗をしたい気持ちだった。
確かにどうあがいても電車は来ないかもしれない。だがな、誰もが黙って薩長の天下を認めるわけじゃねえんだってことを薩長の奴らに見せ付けてやるんだよ!
私は土方歳三になりきり、肩で風切って駅を出た。

入ったのは駅近くのカレー屋。もちろん早そうだからだ。電車を待っていると30分というのはとてつもなく長い時間に感じるが、飲食店に入って食事をするとなるとそれほど猶予はない。本当は牛丼屋がベストだったのだが、あいにく深谷駅前には吉牛も松屋もすき家もない。
だが、鬼の副長に「後退」の二文字はないのだ。

カレー屋のドアを開けて店内に一歩入ると、店内には数名の若者グループ2組が。
一瞬イヤな予感がして躊躇したが、
「いらっしゃいませー!お客様ー!!」
と威勢のいい声に出迎えられてしまったので後には引けなくなった。
まあ、大丈夫だろう。カレーなんてご飯をよそってカレーをかけるだけだし、チャッチャと速く食べられる。
ところが折悪しく先客たちもちょうど席についたところらしく、店員が注文をとっている。
「えーっとねぇ。俺はカツカレー」
「ご飯の量とカレーの辛さはいかがなさいますか?」
「大盛り!辛さ10倍ね!」
「おぉ~!さすが!」
「・・・いや、やっぱフツーね」
「んだよ、バーカ」
「俺はシーフードカレー!ご飯特盛り!」
「あ、あとビールねビール!」
「おまえまだ飲むのかよ!」
「俺はねぇ~・・・」「サッサと決めろよ」「俺は・・・」

・・・楽しそうなのは結構なんだけど、俺時間ないんだけど。

ようやく順番がめぐってきた。
「お待たせしました。ご注文はお決まりですか?」
もちろん決まっている。ここは当然、もっとも時間がかからなさそうな基本メニュー「ビーフカレー」を潔く頼むしかない。が、
「えーっと、ビー・・・いや肉じゃがカレーね
と、よせばいいのについ見栄を張ってしまった。
・・・まあ、どうせ肉じゃがなんて冷凍ものをレンジで温めるだけで、あとはご飯にカレーをかけるだけ。大丈夫、大丈夫。

先ほどの若者たちの巨盛りのカレーたちが順次サーヴィスされていく。
まさかとは思うがあんなすごい盛りで出てきたら食べきれるだろうか。
ようやく肉じゃがにとりかかったようで、レンジがチンといっている。ご飯の盛り具合も大丈夫そうだ。よし、あとはカレーをかけるだけだ!
・・・と思いきや、なんとデカイ鍋から小鍋に一皿分のカレーをとって温め直しているではないか!
もちろんこれは「美味しさ」のためのひと手間(というか演出?)なんだろうが、今の私にとってはまさしく「小さな親切、大きなお世話」「ありがた迷惑」以外のなにものでもない。
電車の時間までにカレーは出てくるんだろうか・・・
不安が不安を呼び、際限なく膨らんでゆく。

c0057845_12193029.jpg「お待たせしました!肉じゃがカレーです。ごゆっくりどうぞー!
最後のひとことはもはや皮肉にしか聞こえないが、そんなことにかまっている余裕はなく、私は猛然と喰らい始めた。アツアツのご飯にカレーだろうが、水で流し込むしかない。
官軍の銃撃砲撃を雨あられと浴びようとも、俺たちは戦うんだ!
だが、天は我を見捨てなかった。冷凍ものの肉じゃがの温めがあまかったのか、じゃがいもの中身がまだ冷たい!
本来ならクレームものだが、今の私にとってはこれほどありがたいサーヴィスはない。
「ごちそうさん!」
一気に平らげ、伝票を引っつかんでレジに向かう。よし、サッサと会計を済ませてダッシュすれば間に合うぞ!この際、つり銭くらいはくれてやる!
「肉じゃがカレーおひとつ、750円になりまーす」
私は千円札を取り出し
「つりは・・・」いらねえぜ!と言いかけて、手にした札が実はなけなしの一万円札であることに気がついて、あわてて言葉を飲み込んだ。
し、しまった・・・こんなときに限って万札しかないなんて・・・
いくら鬼の副長といえども、宵越しの銭は持たねぇよ!というわけにはいかない。
レジの姉ちゃんはかまわず
「一万円からお預かりします。一万円札入りまーす!」
入るのはいいからサッサとおつりをくれ!
「9千250円のお返しになります!・・・申し訳ありません。すべて千円札でもよろしいですか?
ギャフン!なんでもいいから早くしてくれ~!
「それでは大きい方から、一千、二千、三千・・・」イライライラ・・・
四千、五千、六千、七千、八千、九千円と!」はい、おあと小さいほうね!早く早く!
「おあと小さいほう250円のお返しです!お確かめ下さい!」もういいって!

「ありがとうございましたー!」
店員の声を背中に聞きながら私は駅に向かってダッシュ!
駅の方からは「上野行き最終電車、間もなく到着しま~す」
よし!なんとか間に合いそうだ・・・

あとから思えば、コンビニで弁当でも買ってホームで食べながら待っていれば、こんな目にあわずにすんだのに(深谷駅のホームではそれが許されるのだ)。
だが、わざわざ外にでて食事をして戻ってくるという行為自体が、「あれ、外で食事してきたのにまだ電車来てないの~?どうなってるの、いったい?」という無言の抗議である以上、後にはひけない。
滅びの美学に殉じる「誠」の男はつらいのだ。。。
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by masafuji1970 | 2006-11-14 01:09 | 日記


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